ECB、当面は追加利下げない=オーストリア中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのノボトニー・
オーストリア中銀総裁は6日、予見可能な期間内では、
ECBが追加利下げを実施することはないとの見方を示した。

総裁は、ECBの最新のフォワドガイダンスには、
金利が当面据え置かれることが示されていると指摘。

「少なくとも予見可能な期間については、金利政策の
面でわれわれは事実上の下限に達したと私は考える」
と述べた。

総裁はまた、ECBがユーロ水準に具体的な目標は
設定しておらず、ユーロ高抑制で介入する意図は
ないとの見解を改めて示した。

前日にECBのドラギ総裁がECBの仕事は
「まだ終わっていない」と発言したことに対して、
ノボトニー総裁は中銀の仕事が終わることはない
とだけ述べ、何らかの解釈を加えることはなかった。

総裁はECBが前日に決めた新たな長期資金供給オペについて、
貸し出しに資金を回していると証明された銀行を対象にする
という新たな試みだと指摘。

「これは考え抜かれた試み、実験だ。実際に成功するかは
多くの要因に左右される」と語った。

公的部門や民間不動産市場への融資を除外した基準で
オペ対象を決めることは、資産バブルの阻止に資する
との認識を示した。

証券市場プログラム(SMP)の不胎化オペ停止については、
新たな長期資金供給オペが今年の秋に実施されるまでの
期間に流動性を供給する狙いがあると説明。

不胎化はインフレ高進の懸念があった際に始めたことで、
停止は心理的な意味合いが強いと述べた。

流動性について現在のような状況が続く限り、
(不胎化オペを)再開する理由はない」とした。

ユーロ高については、「ユーロ危機の終了を示す
重要な兆しだ。資金逃避先の通貨になっている
という面もある」との見解を示した上で、「ECBでは
直接介入は全く想定されていない」と言明した。

長期的に市場の大きな動揺が大量の資本流入
引き起こした場合、この問題を再び考えることに
なるかもしれないとした。