ECBは追加措置必要か確認中、QE支持も=スロベニア中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのヤズベツ・
スロベニア中銀総裁は12日、ECBはユーロ圏
経済支援に向け追加措置が必要かどうか見極めている
との見解を示した。

また、必要であれば大規模な資産買い入れの
実施を支持する構えを明確にした。

ドブロブニククロアチア)で開かれた会合に
出席しているヤズベツ総裁はロイターに対し、
ECBは前週の理事会で一連の措置を発表したが、
その後も追加策を実施する必要があるかどうか
「入念に確認」していると述べた。

「誰もが量的緩和QE)の実施を見込んでいるが、
ユーロ圏経済がどのように推移するか、一連の
政策が十分に効果を発揮するか見守る必要がある」とし、
ECBは新たに発表されるデータを含め、状況を入念に
確認していると語った。

量的緩和については「効果を発揮できるよう
しっかりと準備され、実際に必要になるようであれば、
無論支持する」と言明。

同時に「ドラギ(ECB)総裁は、必要であれば
他の措置を講じると断言した。しかし、当面は
前週発表した一連の措置は十分かつ適切だ」とし、
現段階で追加措置は必要でないと強調した。

追加利下げ実施の可能性は依然残されているが、
短期的に必要になるとは考えていないと述べた。

ECBはユーロ圏域内の銀行監督一元化に向け、
銀行の資産審査を実施するが、ヤズベツ総裁は、
追加刺激策の必要性を見極める手掛かりとして
注視していると発言。

「包括的な審査が完了したら、その後の対応が
極めて重要だ。銀行に資本増強が必要な場合は
どの程度の規模になるか、追加措置をとるなら
いつかが明確になる」と述べた。

その上で「これは現在真剣に考慮されている
要素のひとつだ」と説明した。

スロベニアの国内銀行については、依然として
大規模な不良債権を抱えているとしながらも
「少なくとも2016年までは十分な資本を
有している」と述べ、審査を通過する見通しとした。

ドブロブニククロアチア)の会合では
「ユーロ圏は脱したばかりの状況に舞い戻ろうと
していないだろうか。新たな金融危機に再突入する
リスクがある」と指摘。

「現時点での行動に一段と注意深くなる必要が
あると感じている」とし、金融危機の再発を
招きかねない過去の過ちを繰り返さないよう釘を刺した。