英利上げ、市場予想より早まる可能性=カーニー中銀総裁

イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は12日、
英国の金利は市場の予想よりも早く上昇する可能性があると
言明、向こう1年以内に金融引き締めが始まる可能性を示唆した。

総裁は、依然として英国経済はインフレ率を押し上げずに
成長することが可能との見方を示す一方で、中銀がこれまで
年後半に想定していた景気減速の兆候はほとんどないとした。

その上で「利上げ時期をめぐってはすでにかなりの憶測が
なされているが、その決断は一段と均衡がとれつつあり、
市場が現在予想しているよりも早まる可能性がある」と語った。

オズボーン財務相とともに、ロンドン市長公邸
(マンションハウス)で演説した。

総裁の発言を受け、ポンドは対米ドルで1セント上昇。

1ポンド=1.693ドルを超え、1カ月ぶりの高値をつけた。

総裁は、利上げ開始の時期よりも重要なのは
「段階的かつ限られた形で」将来の利上げを
進めることだと発言。

家計の負債が高水準なことや通貨高による
景気下押し効果に配慮する考えを示した。

利上げのタイミングは今後指標に左右されるとも発言。

利上げ時期は事前に決めていないと述べた。

総裁は、住宅ローンの審査基準が緩くなっている問題など、
住宅市場のリスクに対する対策を慎重に検討する考えも示した。

これに先立ち、オズボーン財務相は、住宅ローンのLTV
(融資額と担保資産価値の比率)とLTI(融資額と所得の
比率)に上限を設定する権限を中銀に付与すると表明。

総裁も歓迎する意向を示した。

総裁は、必要な場合、中銀が
市場を支援することが重要だとも発言。

国内の大手ブローカーが銀行と同じ条件で
中銀の制度を利用できる体制を来年中に
整える方針を示した。

中銀の外貨建て資金供給能力の
強化も検討する考えを示した。