企業物価の先行き「当面緩やかな上昇」へ上方修正=6月の日銀月報

日銀は16日公表した6月の金融経済月報で、
国内企業物価の現状及び先行きの判断を
それぞれ上方修正した。

国内で需給ひっ迫による価格転嫁の動きが
続いているためで、直近のイラク情勢を
受けた原油高は反映されていない。

完全失業率や有効求人倍率がそれぞれ
リーマン・ショック前の水準まで改善したことで、
今後は雇用者数の大幅な増加が難しく需給ひっ迫で
賃金や物価を押し上げるとみている。

一方、消費者物価指数は、4月の前年比が
消費税の影響を除き1.5%上昇したにも
かかわらず、「しばらく1%台前半で
推移する」との従来判断を据え置いた。

為替円安やエネルギー価格の押し上げ効果が
和らぐため、今後の伸びはいったん縮小するが、
年末にも再び拡大するとの見方を維持している。

消費者物価の前年比が2015年度にも物価目標の
2%に達するとの日銀見通しに懐疑的な市場関係者も
予想を徐々に引き上げており、「予想物価上昇率
全体として上昇している」と判断している。

鉱工業生産の先行きについては、7〜9月に
「全体として下げ止まりから持ち直しに
向かう」と表現。

自動車が下げ止まり、化学が増加、電子部品・
バイスは新型スマートフォン向けで増加する
とみている。

景気の現状判断は「駆け込み需要の反動が
みられるが、基調的には緩やかな回復を
続けている」との表現を据え置いた。

海外経済については、先進国を中心に
「回復している」とし、5月月報までの
「回復しつつある」との表現から
わずかに引き上げた。