年内利上げ織り込まない市場に「やや驚き」=6月英中銀議事録

イングランド銀行(英中央銀行BOE)が公表した
6月の金融政策委員会の議事録によると、年内利上げの
可能性を市場がそれほど織り込んでいないことに
意外感を当局者は示していた。

委員会では9対0の全会一致で
金利据え置きを決定した。

議事録によると、今年下期の経済成長が予想を
上回り経済の余剰部分が縮小することについて、
市場が過小評価していることに委員は懸念を示した。

「この点で、一部の金融市場で織り込まれている
金利引き上げ可能性が、比較的小さいことは
やや驚きだ」としている。

また先月と同様、一部の委員は利上げが一段の
均衡につながる状況になりつつあるとの考えを示した。

ただ利上げする場合でも、段階的で水準は危機以前の
平均をかなり下回ると依然として見込んでいる。

イングランド銀のスタッフ予想では、今四半期の
経済成長率は0.9%と見込んでおり、第3・四半期の
0.7%予想には上振れリスクがあるとしている。

住宅市場には鈍化の兆候があるとしたが、
これが新たな住宅ローン規制に銀行が
対応している一時的効果かどうかは
不透明としている。

金利により住宅市場を要因とする金融安定への
リスクが生じているとしたが、これについては
中銀の銀行監督委員会(FPC)が対応するのが
適切とした。

FPCは金融安定報告を来週発表する。

賃金の伸びが引き続き低迷していることについて、
経済の不稼働部分が以前考えられていたよりも
大きいことが要因の可能性があると指摘した。

MPC委員の過半は、不稼働部分は生産の1〜1.5%程度と
引き続き見込んでいるが、確かな推計ではないとしている。