ドルを買えない材料が増えた

今週の為替相場は、ドルの買えない理由を
考えながらの動きが続くものと思われます。

注目されていた米FOMCでは、
超緩和策の縮小が粛々と行われました。

しかし、緩和政策を解除することには
否定的な見方も示されました。

長期金利の低下を認める発言が出て、
市場はFRBハト派の姿勢に、ドル買いを
躊躇せざるを得ない動きを見せました。

米経済は堅調、超緩和策も縮小しているのに、
緩和政策を解除しないとした姿勢に、ドル買いを
控えたのです。

ドルを買えない理由が見つかったわけです。

この中、ユーロは先の利下げで、利下げが
打ち切りではない、との見方が広がるなかで、
ユーロも買いにくい通貨になっています。

また、ドルはイラク問題が大きな
マイナス材料になりつつあります。

ユーロはウクライナ情勢が問題になるなど、
ドルも、ユーロも買いにくい通貨でした。

加えて、足下でのマイナス材料が
重石になっています。

これに対し、円は依然として、
避難通貨の役割を演じています。

ドルやユーロにとって、都合の悪い材料が
出たら、取り敢えず円を買いましょう、
という訳です。

日本の株価も、やや為替離れをして、多少、
円高傾向になっても、それがいや気されて、
株価が下がることはなくなって来ました。

安倍首相も、円高が株安を誘発することには、
神経質ですが、その連関がなければ、
円相場の水準には興味がないようです。

むしろ、安倍首相が懸命に取り組んでいる、
集団的自衛権が確認されるようなことになれば、
円高が進むと思います。

これまで、政治的、軍事的存在感が薄かった日本が、
少なくとも他国に出兵することが出来るように
なるわけですから、その国際的影響力は
大きくなるのです。

円は、これまでにない評価を与えられて、
買われる可能性が出て来たのです。

これも安倍首相効果です。

予想レンジは、
ドル円が82.20〜103.20円、
ユーロ円が136.20〜141.20円、
英ポンド円が168.20〜174.20円、
ドル円が92.20〜97.20円。