ECB、ユーロ相場の上昇抑制に関心=オーストリア中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバー、ノボトニー・
オーストリア中銀総裁は23日、ECBに為替レート目標は
ないが、ユーロ相場の上昇抑制に関心があるとの認識を示した。

ECBが今月決めたマイナス金利などの追加緩和策は、
ユーロの上昇を抑える効果があったと指摘した。
金融関係者の会合で語った。

長引く経済危機で、ユーロ圏の潜在成長率に持続的な
影響を与える恐れがあるとの認識も示した。

ノボトニー氏は「われわれが経験してきた、
今回の危機に伴う損失は財政上のものだけでなく、
より長期的に見て潜在的な生産能力の縮小に
つながる可能性があり、大変危険だ」と述べた。

オランダやフィンランド、フランス、イタリアなど、
ユーロ圏周辺国以外の国でも、成長が弱含んだり
停滞したりしていると指摘。

「ドイツがこれまでにない程、欧州できわめて
重要な成長エンジンになっている」と話した。

ノボトニー氏は、ECBでデフレが差し迫っているとは
認識していないが、低インフレ、低成長、債務急増という
日本的な問題の回避を望んでいるとした。