FRB当局者が講演、NY連銀総裁「来年半ばの利上げ予想は妥当」

米連邦準備理事会(FRB)の当局者3人は24日、
各地の講演で各自の見解を明らかにした。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、米利上げ開始は
2015年半ばとの見方は妥当で、好ましくない
インフレ加速のリスクを招くことはないとの
見方を示した。

プエルトリコでの講演で「インフレ加速を
招くことなく、失業率を大幅に押し下げることが
可能だと思う。インフレ率は現在問題に
なっていない」と述べた。

5月の米失業率は2008年末以来の
低水準となる6.3%で4月から変わらず。

インフレ率は、最近はやや上昇する兆候も
みられるものの、FRBが目標とする2%を
下回っている。

ダドリー総裁は2015年半ばの利上げ開始との
市場の予想は「妥当」としたが、予想は
外れることも多いと述べた。

また、過去数年のFRBの動きについて、経済成長率の
予測が過度に楽観的で、見通しの下方修正を迫られることが
しばしばあったと言及。

一方失業率の見通しに関しては、低下ペースの
速さを過小評価してきたとの見方を示した。

同総裁のコメントはFRB内部での多数派の
見解を反映するとみられることが多い。

この日の発言は、年内に債券買い入れが終了しても、
FRBが事実上のゼロ金利政策の解除を急がないことを
示唆している。

短期金利先物市場では、2015年6月の
利上げ開始が織り込まれている。

またサンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は、
スタンフォード大学での講演で、中期的な経済見通しに
ついて「かなり楽観的」であると発言。

完全雇用を達成し、インフレ率も正常な状態に
戻るという経済を実現するまで、あと2年ほどだ」
と述べた。

同総裁の見解はイエレンFRB議長と
同じとみられることが多い。

インフレ率については、現在の水準からは
上昇するが、FRBの目標範囲内にとどまるとした。

これに対し、タカ派で知られるフィラデルフィア連銀の
プロッサー総裁は「それほど遠くない将来に
コミュニケーションでの調整が必要になる可能性を
懸念している。特に、声明のフォワドガイダンスは
消極的過ぎるかもしれない」との見方を示した。

プロッサー総裁の発言は、なかなかゼロ金利政策
解除に踏み切らず、制御できない程にインフレが
加速するとのFRB内少数派の懸念を反映している。

ダドリー総裁はこうした懸念を共有しておらず、
「目標に向かって進捗はみられるが、達成は
していないため、非常に緩和的な金融政策を
引き続き取ることが極めて適切だ」と強調した。