米FRB議長「金融安定への脅威限定的」、独立性確保を主張

イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は16日、
下院金融委員会での証言で、米経済は雇用の伸びを
確保するのに十分な成長を遂げているとの認識を
示す一方、信用の伸びやレバレッジは控えめで
金融安定への脅威は限定的と指摘した。

証言原稿は、前日の上院銀行委員会と
同様の内容だった。

この日の質疑応答では、FRBの権限を制限したい
共和党議員から厳しい質問が飛んだが、議長は
1つ1つゆっくりと慎重に対応し、中銀の独立性は
確保されるべきとの立場を示した。

議長が財務長官と毎週行う定例会合について、
内容を開示すべきではないかと問われると、
協議の結果何らかの合意があった場合には
明らかにされるが、「私的な会話を毎週報告することは
支持しない」と答えた。

今月下院に提出されたFRBに関する
法案についても質問が及んだ。

法案はコストと利点に関する一段の分析や、透明性向上、
より規則に沿った金融政策運営をFRBに義務付ける内容。

議長は、昨今の金融危機後の対応で規則に基づいた
金融政策運営を行っていれば、より悲惨な状況に
なっていただろうとし、こうしたアプローチは
「重大な誤り」と退けた。

また危機時により多くの金融機関が納税者による
支援を受けることになりかねないとして、経営が
悪化した金融機関へのFRBによる介入についても
質問が出たが、議長はこうした介入は非常時に限る
と述べた。

FRBが現在、試験運用しているリバースレポオペを
めぐっては、FRBの権限を著しく拡大している
との懸念も上がった。

これに対し議長は、オペの潜在的リスクは
十分認識しており、確実に対応していく
との考えを示した。