米上院小委員会、ドイツ銀やバークレイズが租税回避ほう助と指摘

米上院の常設調査小委員会は、独ドイツ銀行
英バークレイズの2行がヘッジファンド
租税回避をほう助したと指摘、金融当局に対して
規制を強めるよう求めた。

21日、委員長のカール・レビン上院議員民主党)は、
ルネッサンス・テクノロジーズなどのヘッジファンド
ドイツ銀とバークレイズから購入したオプション商品を
利用して巨額の税金逃れを行っていたと指摘した。

レビン議員は記者会見で「米国市民が膨大な税負担を
余儀なくされたばかりだというのに、ヘッジファンド
これほどの税逃れをやすやすとやってのけた」と語り
「このままでは同じことの繰り返しだ。

巨額の借入での高リスク取引が放置されて経済が
おかしくなれば、今度も納税者がつけを払わされる
ことになる」と警告した。

小委員会は1年ほど前に調査に着手した
所謂バスケット・オプションについての
報告書を公表した。

これに基づきレビン議員はバスケット・オプションが
税逃れの手段として利用される可能性を指摘、
さらにレバレッジ規制を迂回して多額の借入れが
可能になるよう設計された高リスク取引であるとして、
22日に開かれる公聴会に問題の2行とヘッジファンド
召還し追及する方針を示した。

バークレイズは先日、高頻度取引業者を不当に
優遇したとしてニューヨーク州検察から詐欺容疑で
起訴処分を受けたばかりだった。

ドイツ銀行LIBORロンドン銀行間取引金利)の
不正操作を始め数々の問題で調べを受けてり、
この2年間に支払済みの罰金50億ユーロに加えて、
18億ユーロ(24億3000万ドル)の引当金
積み増ししている。

しかしレビン議員はこれらが不法行為
(脱税)であるとまで踏み込まなかった。

ドイツ銀行は同行のオプション商品について
「完全に関係法、規制、指導に沿って
提供してきた」とコメントした。

ルネッサンスは「上院小委員会が問題にした
オプション取引は法的に不適切な面はないと
理解しており、ルネッサンスはこれらの
オプション取引から相当の利益を得ている」
と声明した。

バークレイズも取引は完全に合法的で、同行は
小委員会の調査に協力してきたと声明した。