輸出の先行き「緩やかな増加に向かっていく」に引下げ=日銀月報

日銀が11日公表した8月の金融経済月報では、
輸出の先行きについて緩やかな増加に「向かっていく」
とし、緩やかに「増加していく」としていた従来の
判断を小幅に下方修正した。

2四半期連続で輸出が減少したことを踏まえ、
今後の回復ペースを慎重に判断した。

輸出の先行きについて日銀は昨年7月以降、
「緩やかに増加していく」との判断を
繰り返していたが、回復はずれ込み続け、
今年4〜6月の輸出は2四半期連続で
前期比マイナスとなった。

このため、今回は足元の輸出について
「弱めの動き」と従来の「横ばい圏内」から
下方修正したのみならず、7〜9月も大幅な
回復とはならない可能性を織り込み、
先行きの表現を慎重にした。

生産は、足元の判断について
「弱めの動き」と小幅下方修正した。

一方、生産の先行きは「緩やかな
増加基調をたどる」との表現を据え置いた。

はん用機械の増加基調や、電子部品・デバイス
増加により、7〜9月の生産は「下げ止まりから
持ち直しに向かう」とみている。

一方、景気全体の足元の判断は、消費増税による
駆け込みの反動がみられるが、「基調的には
緩やかな回復を続けている」との従来表現を
据え置いた。

雇用・所得環境は足元、先行きともに
「着実に改善」していると、判断を
小幅上方修正した。

消費者物価の前年比も「しばらくの間
1%台前半で推移する」との従来表現を据え置いた。
物価上昇要因として、ガソリンなどの石油製品が
原油市況と比べ「強めの動きを続けている」点など
を指摘。

一方、物価下押し要因として「携帯電話通信料の
新料金プラン導入による下落」などを挙げた。