盆休みの傾向は

今週の為替相場は、動きの鈍い展開が予想されます。

以前は、為替市場における、日本の存在感が
大きかったことから、日本企業が一斉に盆休みを
とるこの時期は、市場は閑散としたものでした。

日本企業は、盆休み前に、ある程度の
輸出予約をこなして、相場の変化に備えました。

しかし、取引が薄商いとなる中で、海外の投機筋が、
日本企業が嫌う、円買いドル売りを仕掛けて、
日本企業の狼狽の円買いドル売りを狙ったこと
もありました。

輸出大国だった日本には、どのタイミングで
円転を行うかが、非常に大事なことだったのです。

そのきっかけに、よく使われたのが、
米国の貿易収支の発表でした。

日本が対米黒字が増加するなかで、米国は
ドル安円高政策を行うとの思惑が、
貿易赤字拡大と相俟って、
ドル売り円買いを仕掛け易くしたのです。

今は、日本は貿易赤字国なので、
過去の経験は使えないと思います。

気掛かりなのが、米国の経済は好調で、
来年の利上げ転換の見方が支配的なのに、
長期金利が上昇しないことです。

米株価も、過去最高値を更新しているのに、
最近ではバブル再来を懸念する声が
上がっていることです。

日本は、消費税率引き上げ後の経済が
冴えない形となっていますが、それより、
米株価のバブルを懸念する声が大きいことです。

相対評価で、リスク回避の円買いが強まる
構図を指摘する声が聞かれているのです。

それだけ、ドルを巡る環境は良くないのでしょうか。

景気回復、株高、将来の利上げ、と
ドルの買い材料が揃っているのに、
ドルが買われない、不思議な思いで見ています。

予想レンジは、
ドル円が98.20〜103.20円、
ユーロ円が134.20〜138.20円、
英ポンド円が168.20〜173.20円、
ドル円が91.20〜96.20円。