独金融業界団体、ECBの利下げを「構造改革が優先」と批判

欧州中央銀行(ECB)が4日に発表した予想外の利下げについて、
ドイツの金融業界団体から、預金者の利益を損なう上に
経済効果もないとの批判が相次いだ。

ECBは市場が据え置きを予想する中、主要政策金利
ファイナンス金利を過去最低の0.05%に引き下げた。

ドイツ保険協会(GDV)責任者のアレクサンダー・
エルトラント氏は声明で「追加利下げは信用創造
つながらず、低インフレの状態において適切な
方策でもない」と反発。

「ユーロ圏の低金利環境を確実にする金融政策を
実施するよりも、より適切な構造改革に重点的に
取り組むべきだ」と述べた。

資産担保証券(ABS)の買い入れについても、
効果が期待できないと話した。

ドイツ銀行連盟(BDB)の責任者、ミヒャエル・
ケマー氏も利下げによるメリットはほとんどない
との見方を表明。

「今回のECBの措置により、経済改革が火急に必要な
一部のユーロ加盟国で改革が遅れる危険性が高まる」
との懸念を示した。

さらに、強力なロビー団体であるドイツ信用協同組合
(BVR)も、利下げは早まった判断であり「疑問の
余地が大いにある」との見方を表明した。