英銀行、緩和策解除リスクに備え必要=中銀当局者

イングランド銀行(英中央銀行)金融行政委員会の
コーン委員は11日、国内の銀行に対し、世界の中銀が
量的緩和などの非標準的措置を解除した場合に
金融市場が混乱に陥るリスクに備える必要がある
と訴えた。

英国銀行協会に向けた講演でコーン氏は、
英経済が健全な状態となれば非標準的措置が
終了するだろうとの見解を示した。

「出口は英経済や金融市場にとって前向きな
イベントとなるだろう。生産や雇用が確実に
増加を続ける中での出口に恐らくなるだろう」
と述べた。

ただ、「出口にはリスクや危険がつきもので、
極端な低金利と低い市場のボラティリティーが
長く続いた後は特にそう言える」と警告。

また、世界の各地域で出口のタイミングが異なる
可能性が高いため、複雑さが増すとした。

コーン氏は米連邦準備理事会(FRB)の元副議長。

同氏は一部の部門で金利マージンは非常に小幅で、
英国内の家計の負債は依然高水準だと指摘。

その上で、中銀が国債の買い入れあるいは保有
停止した場合は市場金利が大幅に上昇する可能性が
あると述べた。

「中銀による英国債を含む長期資産の買い入れは
タームプレミアム (期間に伴う上乗せ利回り)を
低下させてきたため、長期利回りの調整は特に
大幅になるだろう」とした。

また、国債価格が急落し、多くの投資家が債券から
資金を引き揚げた場合は、債券に投資している
ファンドの一部が資金不足に陥る可能性がある
との見方を示した。

コーン氏はまた、自己資本の要件を英中銀が
さらに引き上げる可能性に対して銀行は
備える必要があると語った。