為替市場の今の動き、大きな問題とは思わない=黒田日銀総裁

日銀の黒田東彦総裁は19日、為替市場の今の動きについて、
大きな問題があるとは思わないとの認識を示した。

20カ国・地域(G20財務相中央銀行総裁会議出席のため
訪問中のオーストラリア・ケアンズで記者団に述べた。

黒田総裁は為替相場について「基本的に実体経済
金融市場など経済のファンダメンタルズを反映して
安定して推移するのが望ましい」と語った。

さらに「最近は日米欧の金融政策の違いに
かなり焦点が当たっているが、その他
いろいろな経済ファンダメンタルズに沿って
安定的に推移するのが望ましい。
経済ファンダメンタルズの変化に応じて
為替相場が動くことは当然あるが、
ファンダメンタルズを離れて動くのは
望ましくない」との見方を示した。

足元のドル高/円安の動きに対しては「今の
(円相場の)動き自体について、何か大きな
問題があるとは思っていない」と指摘。

具体的なレベルやスピードについては、
コメントする立場にないとした。

また、日銀の目標は為替ではなく、物価と
金融システムの安定だとし、「2%の物価安定目標を
できるだけ早期に実現するため全力を挙げている。
為替レートの水準や先行きにコメントするのは
差し控える」とした。