ユーロ圏は下期に緩やかに成長、必要なら追加措置=ECB総裁

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、今年下期の
ユーロ圏経済は最近のECBの措置を受けて緩やかに
成長するとの見通しを示し、必要なら一段の措置を
講じる意向を示した。

リトアニア国内紙とのインタビューで総裁は、
地政学的緊張の高まりで企業と家計の信頼感が
損なわれる可能性を指摘。

その上でロシアへの制裁と対抗制裁による
ユーロ圏への影響は、これまでのところ
限定的だと述べた。

構造改革が不十分なためユーロ圏のビジネス環境が
圧迫される可能性があるとの見方も示した。

総裁は「夏期の暫定情報によると、経済状況は
予想を幾分下回っている。しかし総じてみると
下期は緩やかな成長になるだろう」と述べた。

「一段の構造改革に向けて断固たる措置を講じるかは
政府の手中にある。各国政府は財政健全化に向けた
進展を止めるべきではないが、少しでも余裕が生じれば、
成長促進への財政政策をとるべきだ」との見解を示した。

総裁は「受容できないほど高い失業水準」と信用の
伸びの低迷が、景気回復の勢いを抑制すると指摘した。

ECBは必要なら措置を講じると再度表明。

「追加の非伝統的措置を責務の範囲内で利用する
用意がある。低インフレが長期にわたるリスクに追加で
対応するため、非伝統的な介入の規模や構成を変える
用意がある」と述べた。

しかし、ユーロ圏が日本並みのデフレに陥るとは
見込んでいないとし、「1990年代の日本とは
多くの要因が明らかに違う」と指摘。

ECBは危機に早期に対応し、域内の民間銀行にも
健全性審査を通じて問題への対応を促しているところだ
と語った。