米FRB、財務省と協力すれば独立性損なう恐れ=パウエル理事

パウエル米連邦準備理事会(FRB)理事は30日、
FRBと米財務省が債務管理などの面で協力することは
中銀の独立性を損なうものであり、回避すべき
との考えを示した。

これに先立ち、ハーバード大学エコノミストらは
論文を公表し、米財務省が近年、長期国債の売却を
拡大させたことで、FRB量的緩和QE)による
長期金利低下への効果が弱められたと指摘。

その上で、とりわけ危機的な状況下では政府の
債務管理計画とFRBの金融政策が歩調を
合わせるべきと提言した。

同論文の調査にはサマーズ元財務長官も
参加している。

パウエル理事は、論文の提言について
FRBにとってリスクを伴うものと思われる」
とした上で、第二次世界大戦以降、FRB
財務省は実際に協力した時期があり、
そのことがFRBの独立性を後退させたと分析。

「金融政策の独立性がマクロ経済面でよりよい
結果につながることは、数多くの事例が
証明している。たとえ危機的な状況であっても、
債務管理と金融政策が積極的に協力することに
なれば、中銀の独立性に疑念が生じる恐れがある」
と述べた。

さらに、財務省の債務管理がFRBQE効果を
弱めたとの論文の主張については、FRBQE
通じて経済を下支えるとの強いメッセージを
市場に送ることで、心理的な押し上げ効果を
得たとして、否定的な立場を示した。