ドル買いも限定的に

今週の為替相場は、ドルの上値の重さを
確認することになりそうです。

今週は、FOMCが開催されることで、
米国の緩和解除に向けた動きが
気になるところです。

米経済指標も堅調で、緩和解除に向けた
動きに弾みがついても良いところと見られます。

まさに、米連銀のタカ派にとっては
格好の材料が揃ったことになります。

米国がいつ、金融引き締めに動くのかを
占う材料が、今回のFOMCで出てくるのか
否か、大いに注目されます。

しかし、そういう見方にブレーキをかけるのが、
エボラ出血熱問題とイスラム国の賛同者の
テロ問題です。

エボラ出血熱問題は、一部の西アフリカの国では、
問題は解決されたと発表されました。

ところが、欧米では、治療に当たった
医療関係者の感染が大きな問題になっています。

欧州での感染に続いて米国内でも
感染が確認されています。

足元では、ニューヨークで、西アフリカの
現地で治療を行っていた医師が、ニューヨークに
戻って、エボラ出血熱を発症しました。

悪いことに、その医師は、地下鉄で
移動し、ボーリングを行ったようです。

エボラ出血熱は、空気感染はしないものの、
体液や汗など、他の人が触れる可能性は
ゼロではありません。

地下鉄の手すりや座席等々、あるいは
ボーリング場での感染の可能性は
ゼロではないと思います。

万が一、感染が確認された場合は、
大変なパニックになると思います。

医療関係者ではなく、一般人がエボラ出血熱
発症したら、ニューヨークだけではなく、
世界中がパニックに陥る可能性は強いと思います。

そうなれば、人の移動が制限、
中止される可能性があります。

米経済はもちろん、世界経済にとって、
大変な事態が起ころうとしています。

こんな時に、ドルは買って
安心な通貨なのでしょうか。

さらに、北米では、イスラム国の賛同者が
跳ね上がった行動を起こしています。

カナダでは、軍人を殺害し、国会議事堂に侵入し、
撃ち殺されたイスラム国の賛同者がいます。

米国では、ニューヨークで斧で警官を
襲ったイスラム国の賛同者がいます。

こちらも、直後に撃ち殺されたのですが、
テロの形が個人テロに変わっています。

組織で何か行動を起こす時には把握し易いのですが、
個人テロは中々手掛かりが掴めません。

いつ、どんな形で襲ってくるのか、
予測することが困難なのです。

イスラム国の立ち上げを座して見逃したことで、
その代償は大きなものになりそうです。

そうした恐怖が北米で強まっている時に、
ドル買いを進めることが出来るのでしょうか。

イスラム国との戦いの当事国の米ドルは、
有事のドル売り、という形で反応すると
思っています。

米国を中心とする国々とイスラム国の戦いの
火蓋が市民レベルでも起こり始めたのです。

金利差よりも軍事的衝突、エボラ出血熱拡大による
社会的不安が、金融市場に影響を与える時になって
来たようです。

予想レンジは、
ドル円は105.20〜109.20円、
ユーロ円が134.20〜139.20円、
英ポンド円が168.20〜175.20円、
ドル円が92.20〜97.20円。