米FOMCが量的緩和終了、労働市場の判断前進

米連邦準備理事会(FRB)は29日まで開催した
連邦公開市場委員会FOMC)で、量的緩和第3弾
(QE3)の終了を決定した。

労働市場をめぐる判断を強めるとともに、
景気回復への自信を表明。

最近の金融市場の振れや欧州経済の低迷、
弱い物価見通しは概ね重視しない姿勢を示した。

FOMC声明では労働市場について「全般的に、
種々の労働市場指標は労働資源の活用不足が
徐々に解消していることを表している」とし、
これまで用いてきた「著しい」資源活用不足
との表現が改められた。

声明はまた、委員会は広範な経済に「十分な
基調的な力強さ」が存在していることを
確認していると指摘した。

FOMCの決定を受け、
米国株は小反落で終了。

10年国債利回りは、
一時3週間ぶりの水準に上昇した。

金利先物が織り込む2015年9月の
利上げ確率は50%超となっている。

ドルは上昇し、対主要通貨バスケットに
対し3週間ぶりの高値をつけた。

今後の利上げの時期やペースについては、
資産買い入れ終了後も「相当な期間」事実上の
ゼロ金利を維持する方針と従来の表現を
維持しつつも、今後の経済指標の内容に
左右されることを強調。

声明は「今後入手する情報が、雇用と
インフレ率の目標達成に向けた進展が
委員会の現在の予測よりも速く進んでいることを
示唆するならば、フェデラルファンド(FF)金利
目標誘導レンジの引き上げは現在想定されている
よりも早まる可能性が高い」とした。

こうした柔軟な文言の追加は、前回会合で
「相当な期間」に懸念を表明し、反対票を
投じたプロッサー・フィラデルフィア地区連銀総裁と
フィッシャー・ダラス地区連銀総裁の懸念を和らげたとみられる。

今回の会合では、コチャラコタ
ミネアポリス連銀総裁が反対票を投じた。

同総裁は、物価圧力が欠如している状況では、
2%目標の達成に向けFRBは一層大胆な
意思表明をすべきと主張した。

FRBはインフレについて、エネルギー価格の
下落などが伸びを抑えているものの、全般的には
今年以降、インフレが目標に到達しない可能性は
後退したとの見方を繰り返した。

QE3は当初、米国債住宅ローン担保証券
MBS)を合わせて毎月850億ドル買い入れる
プログラムとして2012年9月に開始。

今年以降、買い入れ額は徐々に縮小し、
前回9月会合では150億ドルとなっていた。

今回FRBはQE3の終了を決定したものの、
保有債券の償還金の再投資は継続するとしており、
FRB保有する4兆ドルを超えるバランスシートの
規模は当面、維持される。