現地販売価格引き下げ、新たな経済摩擦になりかねない=麻生財務相
麻生太郎財務相は30日午前の衆院予算委員会で、
円安が進んでも輸出が伸びていないことについて
見解を問われ、現地販売価格を下げると、新たな
日米経済摩擦になりかねないと説明した。
安倍晋三首相も民党政権下での輸出数量急減の
流れを止めたと述べ、政策運営の妥当性を強調した。
枝野幸男委員(民主)の質問に答えた。
円安進行でも輸出数量が伸びない理由として、
政府は、新興国の需要減や、日本企業が
現地外貨建て販売価格を引き下げずに
輸出数量ではなく収益で稼ぐ傾向が
強まったことなどを指摘してきた。
麻生財務相は改めて「日本車のシェアが
40%程度あるところもたくさんある。米国でこれ
(販売価格)を引き下げてさらに大きくすることは、
新たな経済摩擦になりかねない」と説明。
長いデフレ下で企業収益が大幅に減少していた結果、
「円安になったからといってシェアに走らず、国内の
企業の利益確保に走った」とし、「結果として自動車は
史上空前の利益を出している」と語った。
安倍首相は「民主党政権時代での輸出数量急減の
流れをわれわれは止めた」と述べ、円安でも
輸出が伸びないとの批判に反論。
「かつては減っていた。海外に資本が逃げていったのを、
われわれは食い止めた。その上で経営者が、この為替水準が
続いていくなかで、日本で製造を進めていくかどうか
判断するところまできた」と、アベノミクスの妥当性を強調した。