米インフレ率は2年後も低迷、緩和策効果薄=SF連銀報告

米サンフランシスコ地区連銀は17日に公表した報告書で、
連邦準備理事会(FRB)が現在実施している緩和的な
金融政策ではインフレ率を上昇させることはできず、
FRBは2016年になっても低インフレへの対処に
追われているとの予想を示した。

同地区連銀のシニアエコノミスト、バスコ・カーディア氏が
執筆した報告書によると、2016年終盤に米国のインフレ率が
3%を上回る水準に上昇している確率は最大で16%だったのに対し、
インフレ率が1%未満にとどまる確率は約30%だった。

カーディア氏は、「現在の状況下では、金融政策が
過度な物価上昇を引き起こすには程遠いようだ」
としている。

インフレ率は今年の上半期は上昇したが、現在は
FRBが目標とする2%を約0.5%ポイント下回る
水準で推移。

同氏は「2015年終盤ごろまでインフレは
力強く回復しない」との見方を示している。

サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁ら
一部FRB高官は、失業率が予想より速いペースで
低下したとしても、FRBは利上げを辛抱強く待つ
必要があるとの立場を示しており、今回の報告書は
こうした見解を裏付ける可能性がある。