ユーロ圏の不合格行、持続的な利益計上課題に=ECB監督当局

欧州中央銀行(ECB)銀行監督委員会の
ダニエル・ヌイ委員長は28日、ロイターの
インタビューに応じ、今年のストレステスト
(健全性審査)に不合格、もしくは辛うじて
合格となったユーロ圏の銀行は、持続的に
利益を上げられることを示す必要がある
との認識を示した。

同委員長は、ストレステストで明らかになった
資本不足を埋めるための単なる資本増強では
不十分かもしれないと指摘。

「持続的に利益を上げることがおそらく
主要な課題であり、今後数年における
銀行にとっての主なリスクだろう」と述べた。

その上で、苦境にあえぐ銀行は損失を出している
部門の売却が必要になる可能性があるとした。

ヌイ氏はまた、今年は合格したが、次回は
合格できないかもしれない銀行が複数ある
と指摘した。

同委員長はすでに、ストレステストで苦戦した
銀行の一部に資本増強計画を再提出するように
要請している。

これに関し委員長は、「資本不足がある銀行の
増強計画を審査する際には、ビジネスモデルを
十分に考慮するし、これが最も重要な問題に
なる」と説明し、これまでのように資本水準のみを
重視しないことを明確にした。

ヌイ氏は、苦境にある銀行がハイブリッド証券や
コンティンジェント・キャピタル(条件付資本、
一定の条件で資本に転換される債券)を
用いることに否定的な姿勢を表明。

「業績の悪い銀行が、クーポンが高水準な
コンティンジェント・キャピタルを利用することが
望ましいかは分からない」とした。

ECBが来年予定する銀行の収益性の総点検に関し、
同氏は、銀行が行内の内部統制が確保できていない
と認識しているのならば、支店や子会社の売却が
必要になるとの考えを示した。

「銀行のグループ全体にとって重要度が
低い部門で多くの損失が出ている」と指摘した。

ヌイ氏は、今年のストレステストの事後分析が
引き続き行われているため、次回のストレステストが
2015年に実施されるかどうかは確かなことが
言えないと述べた。