短期的インフレ率、原油安で低下へ=12月英中銀金融政策委議事録

イングランド銀行(英中央銀行BOE)が公表した
12月の金融政策委員会の議事録で、原油安で
短期的なインフレ率が低下する可能性が
指摘されていたことが明らかになった。

同委員会は7対2で金利
据え置きを決定した。

政策当局者らは、11月の想定よりも
原油価格が急落したと指摘。

12月のインフレ率は1%を下回り、従来の想定よりも
低い水準で推移する可能性があるとした見解が示された。

こうしたインフレ見通しにより、金利据え置きの
決定が正当化されるとの意見が優勢となった。

据え置きを支持した7人は「特に政策金利
市場の金利水準で示唆される道筋をたどった場合、
(経済に内在する)余剰生産能力が従来の想定よりも
早くに解消されるというリスクもある」とも指摘した。

8月以降利上げを支持してきたマカファーティー委員と
ウィール委員は目標を下回るインフレ率について、
為替相場の上昇と原材料価格の下落が主因との見方を
引き続き示した。

委員会では、メンバーの間でリスクに関する認識に
食い違いがみられたものの、11月の議事録のような
「幅広く見解が分かれた」との表現は、今回の議事録には
盛り込まれなかった。

11月のこの表現により、市場では利上げ支持の方向に
一部が傾いているとの見方が広がっていた。

イングランド銀のカーニー総裁は16日、原油価格の
下落が総じて英国の景気にプラスに働くと指摘する一方、
インフレ率に及ぼす原油安の直接的な影響を見極める方針を
示した。

イングランド銀は利上げ開始時期の検討に、賃金の伸びを
より重視しており、金利据え置きを主張した委員が、2%の
インフレ率目標を達成するためには賃金の伸び加速が
必要との見解を示したことが議事録で明らかになった。