英インフレ率14年ぶりの低水準、中銀総裁は一段の鈍化予想

英国立統計局(ONS)が13日に発表した12月の
消費者物価指数(CPI)は、前年同月比0.5%上昇と、
伸びは2000年5月以来およそ14年ぶりの低水準となった。

原油価格の急落を背景に、上昇率は前月の
1.0%上昇から半分の水準となり、予想の
0.7%上昇も下回った。

データ発表後、英中銀のカーニー総裁は
英国放送協会BBC)のインタビューで、
今後数カ月はインフレが一段と鈍化する
見込みだと述べた。その後は2%に向かって
戻る見通しとしている。

物価下落が食品やエネルギー以外にも波及するようなら、
利上げ時期が後ずれする可能性もある。

ただ、英国では個人消費がなお堅調で、賃金も
上昇に向かっていることから、多くのエコノミストは、
英国がユーロ圏で懸念されているようなデフレに陥る
リスクは低いとみられている。

カーニー総裁は「少しのインフレは経済にとり良い」とし、
「われわれはインフレ率を2%の目標に戻す手段と意思を
持っており、またその責任を負っている」と述べた。

利上げに関しては依然として予見できる将来に
実施すると予想しているとしたが、利上げペースは
従来想定より緩やかになるとの考えを示した。

「利上げに関してはペース、および程度が問題だ。
主に海外の要因により、1年前と比べて、おそらく緩やか、
かつより限定的になるだろう」とした。

データの発表を受けてポンドは売られ、
対ドルで18カ月ぶり安値に迫った。

統計局は、12月の英インフレ率が
低下した理由として、ガソリン価格や、
電気・ガス料金が低下した影響が大きい、
と説明している。

商品価格下落やスーパーマーケット間の
競争を背景に、12月は食品価格が1.9%下落。
2002年6月以来の大幅な下落となった。

12月CPIは前月比では変わらず。

一方、同時に発表された12月の英生産者物価統計によると、
産出指数は前年比で0.8%低下した。2009年9月以来の
大幅な低下を記録した。