デンマークが新発債発行を中止、一種のQEとの見方

デンマークは30日、新発債の発行を一時的に
取りやめると発表した。国債発行を差し止めることで、
通貨クローネの需要を抑制することが狙い。

デンマーク政府は今年の資金需要をまかなうために
総額750億デンマーククローネの国債を発行する
予定だった。

政府は、前年から繰り越された黒字のほか
外貨準備などがあるため、今年の資金需要は
手当て済みとしている。

ノルデア・マーケッツのシニアアナリスト、
ジャン・ストルップ・ニールセン氏は、「これは
裏口的な手段ではあるが、一種の量的緩和
QE)だ」とし、「需要を引き上げる代わりに
供給を抑制し、それにより金利を引き下げようと
している」と述べた。

スイス国立銀行中央銀行)が今月15日に
スイスフランの上昇を抑えるために対ユーロで
設けていた1ユーロ=1.20スイスフランの上限を
撤廃して以来、デンマーククローネは上昇圧力に
さらされている。

クローネの上昇を抑制するためにデンマーク中央銀行は前日、
主要政策金利である譲渡性預金(CD)金利をマイナス0.5%とし、
マイナス0.35%から再度引き下げたばかり。

金利の引き下げは19日以来3度目で、3回の
引き下げ幅は45ベーシスポイント(bp)となる。