金利差睨み、ドル堅調か

今週の為替相場は、米経済指標の好調を受けて、
利上げ観測が強まるなかで、米長期金利
上昇したことからドル買いが優勢になった流れを
継いでドルの堅調な動きが予想されます。

米国の利上げについては、年央を
予想する声が強まっています。

これまでは、長期金利が低位安定を続けていたことで、
ドル買いに弾みがつくことはなかったのですが、
足元での長期金利の上昇に、素直にドル買いで
反応しているわけです。

世界の中央銀行の中で、米国だけが利上げを
模索していることが、為替変動の王道である
金利差」を意識させる要因となっているのです。

為替相場を見る上で、経済的諸条件、ファンダメンタルズは
ドル買いを指しているので、まともな反応と言えそうです。

ただ、ファンダメンタルズだけで
為替相場が動かないことも事実です。

地政学的リスクが為替相場
大きな影響を与えることがあります。

今、地政学的リスクと意識されるのは、
ウクライナ問題です。

ウクライナの親ロシア派勢力にロシアが武器を供与して、
ウクライナに攻勢を強めていることに対して、米国や
欧州がウクライナに武器援助などを想定していることを
明らかにしています。

ただ、偶発的な衝突がないように、ウクライナ
ドイツ、フランス、ロシアが停戦を目指して
会議を開催しました。

この会合では、何とか停戦で
合意することが出来ました。

問題は、停戦合意が守れるかどうかです。

昨年秋には、一度は停戦合意が出来たわけですが、
直ぐに戦闘が激化してしまいました。

今回の合意が実効性のあるものに
なるか否か注目されます。

停戦合意が守られないことになると、
地政学的リスクが一段と高まる可能性が
あると思います。

その場合には、ドルは無傷では
いられないと考えます。

一方、ユーロを巡る問題では、ギリシャ
ユーロ圏からの離脱を巡る思惑が関心を
集めています。

ギリシャでは、野党勢力が選挙で
勝利したことで、これまでの緊縮路線を
反故にする施策が打ち出されています。

ユーロ圏がギリシャの言い分を拒絶するようなら、
ロシアや中国に支援を仰ぐなどという声も出ています。

まさに、ギリシャがユーロ圏から
離脱する可能性が浮上しているわけです。

ギリシャを巡る問題が拗れれば、世界経済に
対する不透明感が一気に広まる可能性は
否定できません。

ギリシャとユーロ圏各国との
話し合いは暗礁に乗り上げています。

ギリシャは依然として強硬姿勢を見せています。

これに対し、ドイツを始めとするユーロ圏各国も
妥協を拒否しているようです。

こちらは、合意することが出来ず、
日を延ばして合意を目指しています。

ただ、その道のりは遠いようです。

こうした複雑な世界情勢を意識すれば、
米利上げ=ドル買いという、単純な動きでは
見通しにくい動きが垣間見られるような
感じがしています。

基本は、ドル買いと考えているのですが、
材料次第では、波乱があると考えています。

予想レンジは、
ドル円が115.20〜121.20円、
ユーロ円が131.20〜137.20円、
英ポンド円が177.20〜184.20円、
ドル円が87.20〜94.20円。