米FRB、利上げ開始は2016年上期まで待つべき=シカゴ連銀総裁

米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は4日、連邦準備理事会
FRB)は利上げ開始にあたり、2016年上半期まで
待つ必要があるとの考えを示した。

同総裁は講演で、低インフレ状況と世界的な情勢の
先行き不透明性を踏まえると「時期尚早な利上げには
恩恵はほとんどない一方、大きなリスクを伴う」と指摘。

「利上げ開始は忍耐強く待つ必要がある」と述べた。

同総裁は、FRBが2016年まで事実上のゼロ金利政策
維持したとしても、インフレ率は2018年末までFRB
目標とする2%を回復しないと予想。

この予想通りの展開にならず、景気が過熱した場合でも、
FRBには緩やかな利上げを実施する十分な時間がある
との見方を示した。

米経済情勢については、向こう数年間の
成長率は3%近辺になると予想。

また、雇用は当面は毎月20万人を超える
ペースで増加し続けるとの見方を示した。

ただ、これだけでは利上げを
正当化するには十分ではないと指摘。

FRBゼロ金利政策の解除に着手する前に、
コアインフレ率、及び市場ベースのインフレ期待が
上昇するだけでなく、賃金の年間上昇率が現在の
平均2〜3%近辺から3〜4%に加速する必要がある
と述べた。

エバンズ総裁は今年の連邦公開市場委員会
FOMC)で投票を持つメンバー。

FRB当局者の間で、少なくともあと1年程度は
ゼロ金利政策を維持する必要があると主張しているのは、
ほぼ同総裁のみとなっている。