米FRBが欧州系2行の資本計画認めず、昨年落第のシティ合格

米連邦準備理事会(FRB)は11日、年次ストレステスト
(健全性審査)第2弾の結果を公表した。

ドイツ銀行及びサンタンデールの米国法人について、
資本計画の手続きに広範かつ多大なぜい弱性が
認められるとし、両行の資本計画を認めない判断を
示した。

今回の結果は、金融機関が計画した
株主還元を実施できるかどうかを評価するもの。

米金融大手4行が提出した当初の計画は
そのまま認められたわけではなく、金融危機から
6年以上経過した現在の米金融業界の体力に
当局が根強い懸念を抱いていることが
浮き彫りになった。

ゴールドマン・サックスモルガン・スタンレー
JPモルガン・チェースは、配当や自社株買いの
規模を縮小。

修正案であればFRBが想定する最悪のシナリオに
耐えることができるとして承認された。

バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)は、配当支払い計画が
承認されたものの、内部管理体制とデータ計測モデルの改善が
条件とされた。

FRBは「バンカメは資本計画の損失・収入計測モデルの
策定作業で欠陥が明らかになった」と指摘した。

昨年のストレステストに合格できず、今年の
結果次第ではコルバット最高経営責任者(CEO)の
進退問題に発展しかねなかったシティグループ
計画が承認され、増配が可能になった。

同行は1株当たりの配当額を0.01ドルから
0.05ドルに引き上げ、4月からの5四半期中に
78億ドルの自社株買いを実施することが認められた。

ドイツ銀とサンタンデールの米国法人は、
自己資本維持能力に関するテストには合格していた。

JPモルガンゴールドマン・サックス
Mスタンレーは計画の修正を迫られたが、
これらの金融機関についてムーディーズ
エンタープライズ・リスク・ソリューション部門の
責任者、デビッド・リトル氏は、ストレステスト合格に
向けた努力と、銀行として利益の最大化を
追求することの間でバランスを取り続けて
いくことになると指摘した。

関係者によると、Mスタンレーは資本計画の
承認を得るために、トラスト型優先証券49億ドル
相当の買い戻し計画を撤回したという。

Mスタンレーの株価は
米株式市場の時間外取引で2.7%上昇。

普通株最大31億ドルの自社株買いと、
配当を50%引き上げて1株当たり
0.15ドルとする計画が好感された。

JPモルガンは今後5四半期で
64億ドルの自社株買いを実施する計画。

4四半期で65億ドルが承認された
昨年の審査での計画を、四半期ベースで
20%下回る水準。

ただ、四半期で前年を
上回る増配を認められた。