ギリシャ銀から1日3億ユーロ流出、悪化トレンドの始まり懸念

ギリシャの銀行からの預金流出額が18日だけで
約3億ユーロとなったことが分かった。

1日当たりの流出額としては、2月20日
ギリシャ政府が金融支援の延長でユーロ圏と
合意して以降最も大きくなった。

事情に詳しいギリシャの銀行幹部2人が
19日に明らかにした。

幹部の1人はロイターに対し、「交渉に進展がなく
不透明感があることや、ネガティブなニュースが
センチメントを悪化させている。流出額は
大きくはないが、悪化トレンドの始まりか
どうかが懸念される」と述べた。

もう一人の銀行幹部は、「ギリシャのユーロ圏離脱が
懸念されている現在の環境下では、預金者が近い将来に
銀行に資金を戻すことは考えづらい」と指摘。

「週末を前に預金の流出が
続く可能性がある」とした。

欧州中央銀行(ECB)はギリシャ国債
定例資金供給オペの担保として例外的に
受け入れる措置を解除しており、ギリシャ
銀行は資金調達でギリシャ中銀を通じた
緊急流動性支援枠(ELA)に依存する
状況となっている。

銀行筋によると、ECBは18日、ギリシャ
銀行に対するELAを4億ユーロ拡大し、
698億ユーロとした。

ギリシャの銀行では政治情勢をめぐる
不透明感から12、1月に約160億ユーロの
預金が流出。

2月も流出が続いたが、2月20日に金融支援の
4カ月間延長で合意があったのを受け、預金が
再び流入していた。

ギリシャの銀行によるECBとギリシャ中銀からの
借り入れは2月に1043億ユーロと、国内総生産
GDP)の約57%に相当する水準に膨れた。