英中銀チーフエコノミスト、利下げの可能性に言及

イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト
アンディ・ホールデン氏は19日、インフレ率が予想以上に
目標を下回る水準に低下する恐れがある場合、利下げを
検討すべきだと指摘した。

他の英中銀当局者の見解と異なる同氏の発言を
受けて、ポンドは対ドルでこの日の安値に下落した。

同中銀のカーニー総裁は先週、原油安を背景とする
インフレ低下への対応で、追加の金融刺激を行うことは
「極めて愚か」との考えを示していた。

1月の英消費者物価指数(CPI)上昇率は
前年比0.3%と、統計開始以来最低を記録した。

ホールデン氏は、インフレが予想通りに
中銀の目標2%に戻らないリスクがあると指摘。

失業率の低下による賃金の上昇はこれまでよりも
小幅になるかもしれないとし、低インフレが
長期にわたって続くとの見方が浮上する可能性が
あるとしている。

またポンドが最近、貿易加重ベース<=GBP>で
6年ぶり高水準に上昇したことも、物価に持続的な
下振れ圧力を生じさせる可能性があるという。

同氏は講演で「インフレリスクの非対称性を
踏まえると、利上げと利下げの可能性は概ね
均衡している。つまり、政策は直ちにどちらかの
方向に踏み出す必要があると考える」と語った。