首相と日銀総裁が会談、黒田氏「物価鈍化でも基調変わらず」

安倍晋三首相と黒田東彦日銀総裁は23日昼、
官邸で1時間程度の会談を行い、日本の
経済・物価情勢などについて意見交換した。

黒田総裁は会談後、記者団に対し、日本経済は
緩やかな回復基調が続いており、原油価格の
下落で足元の物価上昇率が鈍化する中でも
物価の基調は変わっていないなどと説明したことを
明らかにした。

首相と総裁が会談するのは昨年9月以来。

財政や消費税などの問題をめぐって首相と
総裁の関係に距離が生じているとの観測が
浮上する中での会談となったが、黒田総裁は、
半年に1回程度の頻度で行っている
定例的な会談と説明。

内外の金融・経済情勢について
一般的な意見交換を行ったと語った。

具体的には総裁から、先進国経済が比較的順調に
推移する中で、「日本経済は緩やかな回復基調を
続けている」と指摘。

昨年夏以来の急速な原油価格の下落を受けて、
足元の消費者物価(除く生鮮食品)の前年比
上昇率はゼロ%近くまで伸び率を縮小しているが、
期待インフレ率など「物価の基調は変わっていない」
とし、原油価格下落の影響はく落とともに、
先行き物価上昇率が上昇していくとの見通し
などを説明した。

金融政策運営に関しては、欧米の状況とともに
「日本については従来から申し上げていること」を
説明したと述べるにとどめた。

これらの点について、首相から
特に質問などはなかったという。