米大手銀、ウォール街批判に反発し上院民主党への寄付停止を協議

米大手銀行は、ウォール街批判の急先鋒である
エリザベス・ウォーレン上院議員民主党
マサチューセッツ州選出)が大手行の解体を
求めていることに不満を募らせており、一部では
抗議の意を示すために上院民主党への寄付を
停止することが協議されている。

関係筋が明らかにした。

シティグループJPモルガンゴールドマン・サックス
バンク・オブ・アメリカ の代表者らはワシントンで会合を開き、
ウォーレン氏を含む民主党議員にどのようにウォール街批判を
トーンダウンするように求めるかについて協議した。

銀行関係者によると、この会合では寄付停止については
話し合われなかったが、一部の代表者の間で個別に
取り上げられたという。

ただ、協調して行動することについての合意はなく、
それぞれの銀行が独自に対応を決定している。

銀行による寄付金は1行当たり最大1万5000ドルと
大きくないため、停止することになっても影響は
限定的で、象徴的な意味合いが強い。

また、2016年次期大統領選の民主党の最有力候補と
目されているヒラリー・クリントン国務長官への
直接的影響はないとみられる。

ただ、ウォール街の金融機関は民主党
もともと企業寄りだった姿勢を硬化させていると
懸念しているため、専門家は、クリントン氏が
ウォール街での資金集めで苦戦を強いられるかも
しれないと指摘する。

シティグループの関係筋によると、同行は
上院民主党がウォーレン氏や同氏と見解を
共有する議員にさらなる権限を与えることを
懸念しているため、民主党上院選挙キャンペーン委員会
(DSCC)への寄付を当面停止することを決めた。

ウォーレン氏は大手行やその他の金融機関が
中間層に悪影響を及ぼし、金持ちを優遇する
不公平な取引を行っていると訴えてきた。

12月に行った講演では、シティを大きくなり過ぎた
銀行の一例として挙げ、ドッド・フランク法
(米金融規制改革法)によって解体されるべきだった
と述べている。

関係筋によると、JPモルガンの代表者は、
民主党員らと会合し、毎年の寄付と銀行に
対する姿勢の軟化は関係していると強調。

同社はこれまでの数年間は寄付金を一括して
渡していたが、今年は3分の1しか寄付していない
という。

一方、ゴールドマンに近い関係筋によると、
同社は寄付の停止については協議していないという。

同社は今年すでに、1万5000ドルを寄付した。

バンク・オブ・アメリカは寄付のタイミングや
額について他の銀行と連携しておらず、
これまでのところ寄付はしていない。