米FRB議長、年内の利上げ開始示唆=金利正常化は段階的と強調

イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は27日、
FRBとして金融緩和の解除開始を真剣に検討しており、
年内の利上げが正当化され得ると表明、インフレや
賃金動向が健全なペースに復帰せずとも年内に
利上げを開始する意向を示唆した。

同時にコアインフレや賃金の伸びが下振れれば、
据え置きを迫られる可能性もあるとしたほか、
利上げ後も金利の正常化は段階的な道のりに
とどまると強調した。

議長は、サンフランシスコ地区連銀主催の
金融政策に関する会議で講演。

インフレが2%目標に近付くまで利上げを見送るのは
賢明でないとの考えを示唆した上で、利上げ開始後も
段階的な金融引き締めが正当化される可能性が高いとした。

また入手可能な経済指標がFRBの見通しを
裏付ける内容でない場合、政策の道筋は
調整されることになるとの見方を示した。

その上で「経済状況が引き続き改善すれば、
年内に政策金利の誘導目標レンジを
引き上げることは正当化され得る」と言明した。

また利上げのタイミングや道筋は入手可能な
経済指標内容に拠るとし「政策の実際の道のりは
経済状況に応じて変化する。実質的な経済活動
及びインフレの実際の動きや及びその見通し次第で、
政策の引き締めは加速したり、減速したり、
停止したり、あるいは逆戻りする可能性がある」
とした。

米債券市場では、議長講演がややタカ派との
見方から国債利回りが一時的に上昇。

一方、短期金利先物市場では、FRBが10月まで
利上げを見送るとの見方が依然として根強い。