市場の関心は欧米に

今週の為替相場は、材料を欧米に
求める姿勢を一段と強めることになりそうです。

米国では引き続き、利上げ時期を
模索する動きが続くものと見られます。

利上げ時期が6月になる
との見方が強まるものと思います。

今は、早期の利上げは遠退いているとの見方が
有力になっていることがドルが軟調な動きと
なっている要因です。

加えて、企業業績が予想を下回っていることも、
株価の下落に繋がり、それもドル売りの材料に
されていると考えています。

一方、欧州では、ギリシャ問題が
一段と深刻化しています。

ギリシャは、資金返済について、
欧州に対し、猶予を求めています。

しかし、ドイツを中心に、ギリシャに対して、
厳しい姿勢を示しています。

ギリシャは、こうした欧州に対し、
不満を強めています。

資金繰りをロシアに求めたり、本当に、
ユーロ圏からの離脱がありそうな、
姿勢を見せています。

ドルは、欧州の混乱を受けて、
軟調な動きを見せています。

欧州の混迷が米国市場に悪影響を与える
可能性があることが、ドル売りに
繋がっているわけです。

国際金融市場における米国の指導的役割は
衰えているように見えますが、米国の果たす役割は
まだまだ大きいと思います。

だから、欧州危機は米国の問題になるのです。

これに対し、ユーロは一時の
安値から値を戻しています。

売られ過ぎの反動が
出ているような感じがします。

しかし、実際にギリシャがユーロ圏から
離脱するようなことになると、その衝撃は
かなり大きいと考えます。

その時には、目を瞑ってユーロを売る、
千載一遇のチャンスだと考えます。

その時期が6月末までに来るのかどうか、
注意深く見詰めていようと思います。

これに対し、円の材料はどうでしょう。

日銀による追加緩和の可能性があるのか否か。

その可能性については、
いつも浮上している感じがあります。

どのタイミングで追加緩和を行うのか、
市場の関心は継続すると思います。

また、4月下旬にかけて、安倍首相が訪米し、
オバマ米大統領と会談します。

また議会では、演説を行います。

戦後70年を迎えて、日米の
同盟強化を確認するものと思います。

沖縄の基地問題でも、前向きな発言を
繰り返すものと思います。

安倍首相は、戦後の検証についても、
米国の意に沿う形の発言を行うものと思います。

米国の同盟国というよりは、属国であるかの
姿勢を見せると考えています。

問題は、そのあとに予定されている、
沖縄県知事の訪米です。

沖縄の基地問題について、縮小を
強く求めるものと思います。

日本政府の対応と沖縄県の姿勢の違いが、
どのように評価されるか、関心が集まりそうです。

最近の報道を見ていると、「沖縄独立論」が出るなど、
安倍首相の頑なな姿勢が、沖縄をあらぬ方向に
おしやっているような気がします。

「沖縄独立論」が、高まるようなら、円にとっての
大きな材料になる可能性もあります。

そこまで、大事になるとは思いたくないのですが、
安倍首相の姿勢が、沖縄を追い詰めている感じがするので、
注意が必要です。

これが大きくならないと、消去法で、
円が底堅い動きを見せると思います。

115円に上昇するような動きが見られれば、
レンジを替える可能性があることに
留意したいと考えます。

予想レンジは、
ドル円が114.20〜119.20円、
ユーロ円が124.20〜129.20円、
英ポンド円が174.20〜179.20円、
ドル円が87.20〜94.20円。