原油価格が緩やかに上昇しても、QQEの継続必要=黒田日銀総裁

日銀の黒田東彦総裁は24日午前の衆院財務金融委員会で、
先行き原油価格が緩やかに上昇しても、物価上昇率
2%に達するには現在の量的・質的金融緩和(QQE)を
継続する必要がある、との認識を示した。

一方、2%の物価目標が達成されればQQEから
状況に応じた金融政策に転換することになる、
と語った。

鷲尾英一郎委員(民主)への答弁。

総裁は、昨年夏以降の原油価格急落の影響について、
中長期的に経済成長率と物価上昇率の押し上げに
作用するとしながら、短期的な物価押し下げ圧力に
なると指摘。

原油安を受けて、足もとの消費者物価(生鮮食品除く、
コアCPI)の前年比上昇率は消費税率引き上げの影響を
除いたベースでゼロ%まで伸び率を縮小させている。

総裁は「2%の物価安定目標への道筋は道半ば」とし、
日銀の想定通りに先行きの原油価格が緩やかに上昇しても
「2%に達するには現在のQQEを続けていく必要がある」
と語った。

また、現段階で資産市場や金融機関の行動に過度の
強気化などの問題は生じていないが、金融システムへの
影響にも「十分に配慮」しながら、物価目標の達成に向けて、
QQEの継続が必要との認識を示した。

一方、2%の物価安定目標が達成された場合は
「異次元緩和を続けていかなければならない、
ということはない。それに応じた適切な
金融政策を行う」と語った。