高額紙幣ため込みに手数料課す権限ない=スイス中銀総裁

預金へのマイナス金利の影響を避けようと高額の紙幣を
ため込む動きが出ていることに関し、スイス国立銀行
(中銀、SNB)のジョルダン総裁は24日、SNB
現金を排除する計画はないし、紙幣の保有に手数料を
課す権限もないと述べた。

株主総会で参加者からの質問に答えた。

SNBによると、昨年流通したスイス紙幣の3分の2近くは
高額な1000スイスフラン紙幣(1050ドル・970ユーロ相当)。

比較的安全な資産とされるスイスフランが急激に値上がりし、
スイスの輸出企業が打撃を受けている事態を受け、SNB
昨年12月、フラン高を抑える措置として、1000万フラン以上の
預金残高についてマイナス金利を適用。

スイスフランへの資金流入を抑制しようとした。

ただ、SNBの調査によると、今年1月と
2月に紙幣の需要が増加。

高額紙幣の割合が高いことから、資産を蓄える
「価値の保存」を求めた動きだと分析した。

クレディ・スイスは「限定的ではあるものの、現金を
ため込む兆候が表面化している」と指摘している。

総裁は、ギリシャ債務問題について不透明感が続く限り、
スイスフランの上昇圧力が強まる可能性があるとも述べた。