金融市場が不安定化する可能性、一因はドル高=カナダ財務相

カナダのオリバー財務相は28日、金融市場が
不安定化する可能性が高まっており、その一因は
ドル高だとする見方を記者団に語った。

ドレスデンで開催している主要7カ国(G7)
財務相中央銀行総裁会議の合間に述べた。

同相はこれに加え、地政学的な緊張がもたらす
持続的な下振れリスクや、ギリシャ危機が
欧州の景気回復を脅かす可能性についても
懸念していると述べた。

同相によると、カナダのハーパー首相から
ドイツのメルケル首相への書簡において
懸念される問題を伝えたという。

同相の話では、ハーパー首相はメルケル首相に
「成長はまだら模様で、ドル高や地政学的緊張を
巡る持続的な下振れリスクによって金融市場が
不安定化する可能性は高まっている」という見方を
伝えたという。

同相はさらに、多くの国々がグレート・
リセッション(大不況)の後遺症に苦しむ中で、
世界経済の回復は過去に例がないほど弱い
と指摘した。

20カ国・地域(G20)のメンバーは自国の
経済成長を加速させ、慢性的に高い公的債務に
対処する約束を守るべきだとし、またドイツが
G7諸国に対し、財務健全化を呼びかけたことを
カナダは支持すると述べた。

ギリシャと債権団は、凍結している支援再開の
見返りにギリシャが実施する改革案を巡って
協議を続けており、G7財務相らは29日に
この問題を非公式に話し合う見通し。

オリバー氏は「短期的には流動性の問題がある。
長期的にはギリシャを持続可能な軌道に乗せ、
今から5年後に同じ会話をしなくてすむように
すべきだ」と述べた。

ハーパー首相はメルケル氏への書簡で「ギリシャ
状況や欧州の景気回復を脅かす可能性を懸念している」
と述べた。