金利差意識のドル買い継続か

今週の為替相場は、金利差を意識した
ドル買いが継続する可能性が強いと
考えています。

足元の米景気指標は、必ずしも米国の景気の
強さを示しているものとはなっていません。

むしろ、足元では、米景気指標の弱さが
どこにあるのか、確認する必要があると
考えています。

しかし、市場では、先のイエレン米FRB議長の
発言を材料視し、年内の利上げ開始を睨んだ動きを
強めています。

遅くとも、年内には米国は利上げに
踏み切ると読んでいるわけです。

これに対し、日本はIMFから追加金融緩和を
示唆されるなど、日米の金利差は拡大傾向と
なっているのです。

一方、欧州では、ギリシャ債務危機
巡る明快な解決策が出てきません。

ギリシャEUが、真剣に向かい合おうと
しない中で、ギリシャのユーロ圏からの
離脱問題が避けられない状況になっている、
そんな印象を与えています。

また、先進7カ国財務相中央銀行総裁会議(G7)では、
先進国の足並みが乱れていることを露呈しました。

中国が提唱するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、
英国、ドイツ、フランス、イタリアの欧州4カ国は
参加を表明したものの、米国、日本、カナダは
参加しないことを明らかにしました。

これまでは、先進国の足並みは一致していましたが、
米国の力不足が露呈する中で、欧州勢の米国離れの
動きが強まってきたわけです。

中国の経済力に頼ろうとする、欧州先進国が、
中国主導のAIIBに参加を表明したのです。

日本は、米国との関係が深いことや、尖閣諸島問題や
歴史認識問題で対立的していることなど、中国の
誘いには乗りにくくなっています。

中国は、米欧の隙間をついて、
上手にAIIBを立ち上げた訳です。

出来れば、日本を孤立させて、米国も加えたい様子が
見てとれますが、さすがにオバマ大統領も、
その手には乗らないようです。

日米と欧州の対立が目立ち始めている中で、
為替相場の水準に対する声は出てきません。

欧州は、何とかギリシャをユーロ圏内に
引き留めておきたい思いが強いようです。

日本は、米国と組んで戦争が
出来る国を目指しています。

円安だろうと、ドル高だろうと、
気にしない動きが鮮明になっています。

市場は、こうした先進国の足並みの乱れを
睨みながら、ドルを買ったら儲かるのか否か、
思いを巡らせているようです。

最初の一歩は、ドル買い・円
売りとなっているようです。

予想レンジは、
ドル円が120.20〜126.20円、
ユーロ円が130.20〜138.20円、
英ポンド円が185.20〜193.20円、
ドル円が88.20〜97.20円。