FRBの政策議論、どの程度中国株に影響したのかは不明=フィッシャー副議長

米連邦準備理事会(FRB)のフィッシャー副議長は29日、
FRBの政策議論がどの程度、中国の株式市場に影響しているのかは
はっきりしない、との見方を示した。

ジャクソンホール(米ワイオミング州)で
開かれた経済シンポジウムで述べた。

副議長は、最近の中国株急落で中国の株価収益率
(PER)は70倍から17倍に急低下したが、中国の
投資家は株急落の前にもFRBの政策を認識していたはずだ
と指摘。

「株急落のどの程度が、FRBの影響によるものなのかは
分からない。問題は非常に複雑だ」としている。

中国の一部の政府当局者の間には、中国の株式市場が
急落したのは、FRBが金融引き締めに動こうとしているため
と見る向きもある。

また同副議長は、ドル高などの要因による物価への
下押し圧力が後退するにつれ、インフレ率は上向く
との見方を示した。

9月16〜17日の連邦公開市場委員会FOMC)で、
事実上のゼロ金利を解除することを望むかについては、
直接的な言及は控えた。

フィッシャー副議長は、ドル高や原油安、米労働市場
緩みから来る物価の下押し圧力が、今や後退していると指摘。

「インフレ期待が安定するなか、物価上昇を抑制している
要因も一段と解消されつつある。インフレ率が上昇すると
信じるに足る理由がある」との見方を示した。

副議長は「インフレ率が低いなか、おそらく緩和策を
徐々に解除していくことになるのではないか」と述べる一方、
「金融政策の影響が実体経済に及ぶまでにはタイムラグが
あるため、インフレ率が目標の2%に到達するのを待たずに、
引き締めを開始すべき」との考えを示した。

副議長はまた、中国情勢について「中国経済の動向と、
それが他国の経済に及ぼす影響とを、いつも以上に
注意深く見ている」と述べた。