中国経済鈍化、英中銀の金利スタンス変えず=カーニー総裁

カーニー英中銀総裁は29日、中国経済鈍化で
英インフレ率には一段の下押し圧力がかかる可能性は
あるが、政策金利をいつ、どのように引き上げるかに
関する英中銀のスタンスに変化はない、との見方を示した。

ジャクソンホール(米ワイオミング州)で
開催された経済シンポジウムで述べた。

総裁は、金融政策の正常化開始をめぐる決定について、
英経済の回復を背景に「年末年始ごろには、
よりはっきりとした形をとる」との認識を
改めて示した。

英インフレ率はゼロ付近にあるものの、賃金の伸びが
加速するなか、エコノミストは、来年第1・四半期の
利上げ開始を予想している。

総裁は、中国の景気減速で英物価の
下押し圧力が強まる可能性がある、と指摘。

また、海外市場で広がるリスク敬遠ムードで、
英国の金融の状況がタイトになり、インフレの
圧迫要因になる可能性に言及した。

総裁は「これらは可能性であり、確実に起きるわけではない。
状況を注視する必要がある」と述べた。

その上で、中国のコモディティー需要減退から来る
一時的なディスインフレ圧力はさほど重視しなくとも、
中国景気鈍化に伴う英国への長期的な影響には
注意を払う、と述べた。