米シティ、中銀の取引情報を顧客に見せる=元外為トレーダー

米金融大手シティグループの元外国為替トレーダーは10日、
ロンドンの裁判所で証言し、シティが中央銀行との
トレーディングに関する詳細情報を別の顧客に見せたほか、
シティの外国為替注文の詳細を電子チャットルームで
顧客に送っていたと明らかにした。

シティから不当解雇されたと主張している
元外為トレーダーのペリー・スティンプソン氏によると、
顧客情報の守秘義務に違反するこれらの慣行をシティの
幹部らは熟知していたという。

スティンプソン氏は労働裁判所での証言の中で
「シティの投資家デスクは、シティが処理した
中銀の活動の詳細情報を求める顧客からの毎週の
要請に応じている」と述べた。

どこの中銀かは語っていない。

さらに当時シティのトレーディング担当世界責任者だった
ジェフ・フェイグ氏が2013年半ばに、「中銀調査」と
呼ばれたこの情報を顧客に回す習慣は正しくないと判断し、
これをやめるよう呼び掛けたと証言している。

フェイグ氏からはこの件で直ちに
コメントを得ることはできなかった。

スティンプソン氏はまた「投資家デスクには、
顧客の要請があればシティの注文情報を
ブルームバーグのチャットに切り貼りする
慣行もあった」とも証言した。

証言についてシティの広報担当者は「スティンプソン氏に
よる不正行為の申し立てについては全て調査し、
根拠がないと判明した」と話した。