日銀が政策据え置き、海外・輸出・生産を下方修正、新興国減速で

日銀は15日の金融政策決定会合で、現行の量的・
質的金融緩和(QQE)の継続を8対1の賛成多数で
決定した。

景気の現状認識は「緩やかな回復を続けている」
との判断を維持したが、新興国経済の減速を背景に
海外経済と輸出・生産の判断を下方修正した。

今回の金融政策決定会合は、中国を中心とした
新興国経済の減速懸念が意識される中、日銀が
どのような判断を下すかが注目されたが、
当面の金融政策運営は現状維持を決めた。

政策には引き続き
木内登英審議委員が反対票を投じた。

景気の現状判断自体は「緩やかな
回復を続けている」との見方を維持。

もっとも、前段に「輸出・生産面に新興国経済の
減速の影響がみられる」との一文を挿入し、
新興国減速が日本経済に影響を及ぼしている
との認識を示した。

その前提となる海外経済の判断は「新興国
減速しているが、先進国を中心とした緩やかな
成長が続いている」に下方修正。

前回8月会合では「一部になお緩慢さを残しつつも、
先進国を中心に回復している」としていた。

先進国の回復基調に変化はないものの、新興国減速が
世界経済の成長の下押し圧力になっているとの見解を示した。

こうした世界経済の認識を踏まえ、輸出と
生産について「新興国経済の減速の影響などから、
このところ横ばい圏内の動きとなっている」に
判断を引き下げた。

前回会合では「振れを伴いつつも、
持ち直している」との判断を示していた。

一方、「国内需要の面では」とした上で、設備投資や
個人消費、住宅投資などの判断を据え置き。

企業収益については「明確な改善を
続けている」とトーンを強めた。

海外経済減速で輸出・生産が下振れる一方、
相対的に内需がしっかり推移していることを
強調したかたちだ。

消費者物価は前年比で「ゼロ%程度となっている」とし、
先行きも「当面ゼロ%程度で推移する」との見方を維持。

予想物価上昇率も「やや長い目でみれば、全体として
上昇しているとみられる」に据え置いた。

会合では木内審議委員が、引き続き
現行政策の維持に反対を表明。

年間の国債買い入れ額や資金供給量(マネタリーベース)の
増加額を従来の80兆円から45兆円に減額するよう提案したが、
反対多数で否決された。