ギリシャ総選挙で与党快勝、チプラス氏が首相続投
ギリシャで20日に行われた議会(一院制、定数300)選挙は、
チプラス前首相率いる与党・急進左派連合(SYRIZA)が
145議席を獲得し、中道右派の最大野党・新民主主義党
(ND)に勝利した。
SYRIZAの得票率は約35%。
選挙前にSYRIZAと連立を組んでいた「独立ギリシャ人」は、
得票率3.7%で10議席を獲得した。
選挙結果を受け、チプラス氏は
21日午後に首相に就任。
860億ユーロ規模の支援策の1回目の見直しを来月に控え、
第2次チプラス政権にとり国内銀行の資本増強が急務となる。
チプラス氏は債務負担が軽減されない限り
ギリシャは景気後退から脱却できないと主張。
SYRIZA幹部は、チプラス氏は債権団との債務軽減を
めぐる交渉を「最初の重要な戦い」と位置付けている
としている。
チプラス氏はSYRIZA内で新たな支援策の内容をめぐり
対立が見られたことを受け、国民の真意を問うために
解散総選挙を実施。
世論調査の結果を超える票数を獲得し、連立相手は
1党のみで済みことから、より自由な政策運営が
可能になると見られる。
政治評論家のアリスティデス・ハトツィス氏は
今回の選挙結果について、「チプラス氏は個人的に
大きな勝利を収めた。同氏はかつてない政治的な
主導権を手にした」と指摘。
一部アナリストの間では、チプラス氏が強い指導力を
発揮できる立場を獲得したことで、債権団との交渉が
こじれ、ギリシャによるユーロ圏離脱につながる恐れが
出てくる可能性もあるとの懸念も出ている。
コンサルタントのユーラシア・グループによると、
ギリシャが向こう2年間にユーロ圏を離脱する確率は
30%となっている。
選挙で快勝したことで、チプラス氏にとり
第1次政権時代の閣僚の再任が容易になる見通し。
SYRIZA関係者は財務相にはチャカロトス氏が
再任されるとの見方を示しているが、現時点では
まだ明確になっていない。
「独立ギリシャ人」を率いるカメノス氏によると、
新内閣は23日朝に発表される。
続投後のチプラス氏が国際舞台に最初に姿を現すのは
23日に開かれる難民・移民問題を協議するための
欧州連合(EU)首脳会議となる。