ロンドン首位奪還、国際金融センターランキング

英金融コンサルティング会社Z/Yenが23日に
発表したグローバル金融センターのランキングで、
ロンドンが首位を取り戻した。

5月の英総選挙で保守党が圧勝し、
政権基盤が安定したことが奏功した。

調査は金融サービスの専門家2000人を対象とし、
世界84都市のビジネス環境やインフラ、
労働力の質、金融部門の発展ぶりを評価する。

年に2回実施される調査で、ロンドンは7年連続で
首位を維持してきたが、昨年ニューヨークにトップの
座を奪われた。

金融大手HSBCやスタンダード・チャータード
(スタンチャート)銀行が、英国の銀行税導入や、
同国の欧州連合EU)脱退の可能性を踏まえて
本社をロンドンから国外に移転することを
検討する中、ロンドンは全ての項目で
首位となった。

3位は香港、4位はシンガポール
5位は東京だった。

トロントとサンフランシスコ、
ワシントンDCもトップ10に入った。

欧州で10位以内に入った都市は
ロンドンのほかはチューリッヒのみ。

欧州連合EU)加盟国の都市では
フランクフルトがロンドンに継いで14位に入った。

英国金融界を代表するロビー団体「ザ・シティUK」の
クリス・カミングス最高経営責任者(CEO)は
「ロンドンは、ニューヨークやシンガポールなどのほか、
アジアや中東、アフリカで急発展する金融センターとの
厳しい競争にさらされている。ただ、最も大きな喫緊の
課題は間違いなくEUとの関係だ」とし、ロンドンの
金融産業が発展を続けるにはEUとの関係が重要との
考えを示した。

リポートを作成したZ/Yenのアソシエートディレクター、
マーク・イヤンドル氏は、ロンドンのビジネス紙
「シティーAM」に対し「世界から人材を集めることなく、
国際的な金融センターは成り立たない」と述べ、
英政府による移民規制の動きがロンドンの首位維持を
危うくするとの見方を示した。