米FRB、年内の利上げを依然想定=イエレン議長

イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は24日、
アマースト(米マサチューセッツ州)の大学で講演し、
インフレが引き続き安定的に推移し、米経済が
雇用拡大に向け力強い状態であれば、FRB
年内に利上げを開始するとの見方を示した。

また、議長を含めFRB当局者らは、最近の
世界経済や金融市場の動向がFRBの政策に
多大な影響を及ぼすとは想定していないとした。

議長は最近のインフレ鈍化について、ドル高や
原油安といった特殊かつ一時的な要因によるところが
大きいと指摘。

これらの要因の影響が薄れるにつれ、インフレ率は
今後数年かけて目標の2%まで上昇すると予想した。

議長は、自身を含めたFOMC参加者の大半が現時点で、
完全雇用と物価安定の達成が年内利上げにつながる
可能性が高いと考えていると発言。

利上げ後は緩やかな引き締めを想定しているとした。

米経済の見通しについては「総じて
堅調とみられる」と述べた。

先週の米連邦公開市場委員会FOMC)での
利上げ見送りを受け、市場が織り込む利上げ
開始時期は今年12月から来年3月に先送りされていた。

しかし、イエレン議長は講演で、実質ゼロ金利
過度に長く維持すると急激な引き締めにつながる
リスクがあると指摘。

「引き締めを適切なタイミングで開始し、
緩やかなペースで進め、新たなデータを
踏まえ必要に応じて政策を調整していくことが
賢明だ」と述べた。

FRBが重視するPCEインフレ率については、
一段の原油安やドル高がなければ、来年は現在の
1.2%から1.5%かそれ以上に上昇すると予想。

失業率が長期的な水準を下回り穏やかに低下すれば、
インフレ率は2%への復帰が速くなるとした。

ただ、インフレ率の上昇ペースは想定から
ずれる可能性があり、その場合は政策スタンスを
調整する必要があると述べた。