日本のA1格付け、今後数年維持される可能性=ムーディーズ

ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、
日本のソブリン格付けについて、低金利
支援するため今後数年据え置かれる可能性が
高いとの見方を示した。

日本国債担当アナリスト、クリスチャン・ドゥグズマン氏は
ロイターとのインタビューで、「昨年格下げした際には
不透明性を考慮したが、少なくとも今後数年は格付けは
A1のまま推移するだろう。ただ絶えず注視している」
と述べた。

追加の景気押し上げが必要となった場合の
日本政府による財政支出拡大は理に適うが、
2017年に予定されている消費税率引き上げを
延期する可能性は懸念だと指摘。

その上で、2020年度のプライマリーバランス
基礎的財政収支)黒字化目標に向けた基調を
維持しているかどうかを注視している、と述べた。

ムーディーズは昨年12月、債務削減目標をめぐる
不透明感の高まりを理由に日本の格付けをA1に
引き下げた。

見通しは安定的。

ドゥグズマン氏は、安定的な政府債市場に加え、
円相場が安定していることも日本のソブリン格付けに
とってプラスだと指摘した。

一方、日本政府は成長促進に注力する姿勢を
明確にしているため、2017年に予定される
消費増税が先送りされる可能性への懸念が
幾分あると述べた。

中国の景気減速によって外需が政府の
予想より弱まる可能性も懸念材料だと指摘した。

安倍晋三首相が先月発表した新たな政策については、
まだ詳細が明らかになっていないとし、その効果を
判断するのは時期尚早だと述べた。