予定通りの消費増税で債務圧縮必要、軽減税率評価=S&P

格付け会社S&Pは23日、日本は2017年に予定通り
消費税率を引き上げて税収拡大を図り、債務を圧縮する
必要があるとの見解を明らかにした。

S&Pの日本ソブリン格付担当、キムエン・タン氏は
インタビューで、一部の食品に軽減税率を適用することは、
増税が一般に受け入れられやすくなるとして評価する
考えを示した。

ただ、軽減税率を適用することで企業や政府には
システム対応などのコストが生じると指摘した。

同氏は「税率引き上げが歳入増をもたらし、債務水準の
引き下げにつながることが重要だ」と述べた。

S&Pは先月、日本のソブリン格付けをAAマイナスから
Aプラスに引き下げ、見通しはネガティブから安定的に
変更した。

タン氏は、見通しが安定的ということは今後1〜2年は
格付けが変更する可能性は低いということだが、S&Pは
年次で見直ししている、と述べた。

政府は基礎的財政収支プライマリーバランス)を
2020年度までに黒字化することを目指しているが、
これを達成することと、力強い経済成長で税収を
押し上げることが重要だと同氏は指摘した。

タン氏はまた、原油安を一因に消費者物価が
最近低下し始めているが、政府は緩やかなレベルの
物価上昇率を確保する必要があるとし、これにより
債務負担の軽減が容易になると語った。