コンスタンシオECB副総裁、インフレ目標達成能力への信頼感後退に危機感

欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁は、
投資家がECBの物価押し上げ能力に対し信頼感を
失う恐れがあるとの懸念を示した。

副総裁は「調査、及び市場に基づく最近の指標は
いずれもユーロ圏の長期インフレ期待のデアンカリングへの
懸念を高める内容だ」と述べ、インフレ期待がECBが
目標とする2%弱の水準からかい離するリスクを指摘。

2%弱のインフレ目標達成への信頼感が
後退しているとの認識を示した。

これに先立ち、ベルギー中央銀行のスメッツ総裁も
コンスタンシオ氏と同様の発言を行なった。

またドラギECB総裁も「世界経済の減速が中期的な
物価安定への回帰を阻害している」とし、買い入れ
拡大を含め追加措置の是非について次回の理事会で
判断する方針をあらためて表明した。

コンスタンシオ副総裁の発言は、ECBの経済運営に
対する信頼感が失われるリスクに言及しており、
その点において重大な意味を持つ。

また量的緩和の拡大など追加措置への下地が一段と
整っていることを示唆している可能性がある。

独政府、難民費用増大でも財政均衡維持可能=財務相
財務省は5日、制度変更を理由に2016年の
税収見通しを若干引き下げたが、ショイブレ財務相
押し寄せる移民・難民への対策費用の増大が
見込まれるもののドイツは財政均衡を維持できる
との見方を示した。

財務省有識者委員会はこの日、2015年の税収は
6720億ユーロ(7300億ドル)になるとの見通しを発表。

前回5月に示した見通しから
約50億ユーロ引き上げた。

2016年は6860億ユーロと過去最高となる
との見通しを示したが、前回から約50億ユーロの
下方修正となる。

ドイツは2014年に計画を前倒しして財政均衡
達成しているが、ショイブレ財務相は2015年も
均衡を維持できると予想。

2016年については、移民・難民のドイツ国内への
流入数がどの程度になるのか「高い不確実性」が
存在するとして慎重な姿勢を示したものの、「今年
見込まれる黒字により、2016年は新たな借り入れを
行わなくて済むと現時点で予想される」と述べた。

連立政権関係筋の間では、ドイツに押し寄せる
移民・難民の数が来年も増え続ければ来年の
ある時点で財政均衡を維持するとの目標を
破棄せざるを得なくなる可能性があるとの見方も
出ていた。

フォルクスワーゲンVW)の排ガス不正問題を
めぐっては、政府は現在、同社が二酸化炭素(CO2)
排出量増加に対する追加的な税金を確実に払うよう
法制度を整えているとし、VWをめぐる一連の問題による
影響は今回示した税収見通しには反映されていないと述べた。