TPP、為替政策や金融政策で拘束力持つことない=麻生財務相

麻生太郎財務相は6日、閣議後の会見で、
環太平洋連携協定(TPP)参加国が通貨政策を
協議する枠組みの設置で合意したことについて、
為替政策や金融政策で拘束力を持つことには
ならないとの認識を示した。

これによって、「日本の為替政策が変更を
迫られることはない」と語った。

TPP参加12カ国は互いの通貨政策について
協議する枠組みを設けることで一致したと
発表した。

共同宣言では「経済ファンダメンタルズを
反映する為替システムを促進するための行動をとり、
継続した為替のかい離を避ける」とし、市場で
決定される為替制度を促した。

さらに「資本フローの過度な変動は、政策対応が
必要となり得る政策課題を発生させ得る」とし、
「通貨の競争的な切り下げを回避し、競争力を
目的として自国の為替レートを誘導しない」方針を
明記。

輸出拡大のための自国通貨を不当に押し下げる
動きなどをけん制するのが狙いとみられる。

共同宣言の意義について麻生財務相は「為替の
話については、米国議会がTPP協定に入れることを
期待していたことは承知している」と述べ、米国議会の
意向を反映したものであることを示唆した。

その上で為替政策などは「基本的には、IMF
国際通貨基金)などで決めること」と述べ、
「TPPで金融(政策)や為替をやることは筋が
違うということは皆認識している。TPP発効後に、
(為替政策や金融政策で)拘束力を持つことには
ならない」と語った。

法人実効税率引き下げに関しては、政府の
経済財政諮問会議の民間議員が2016年度に
20%台に引き下げることを提言するなど、
引き下げの加速を求める声が強まっている。

これに対して麻生財務相は大企業の内部留保
膨らむが銀行貸し出しなどが増えない実態を挙げ、
「(税率を下げても)今後も内部留保のままか。
増やして何をするのか。はっきりしてもらいたい。
そうでないと、減税する意味がない」と述べ、
内部留保に対する扱い方を考えなければ
ならないとか、いろいろなことになる」と
苦言を呈した。

その上で、さらなる法人実効税率引き下げについて
「(内部留保に対する)答えを出していただかないと
いけない。加えて、減税した分だけ、課税ベースを
拡大することも考えないと、話しとしては筋が通らない」
と語った。