豪経済見通し改善、2016年インフレ予測引き下げ=中銀金融政策報告

オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は
6日発表した四半期金融政策報告で、経済成長の
見通しへの自信を深めたとする一方、インフレ率が
驚くほど抑制されている状況は必要な場合に追加利下げを
行う余地を与えているとの見解を示した。

中銀は2016年の基調インフレ率について、中銀の
目標レンジ2〜3%の下限となる2%前後で概ね
推移するとし、8月時点の予想(2.5%)を大きく
下方修正。

ただ、その後は目標レンジの中間付近まで
上昇するとの見通しを示した。

報告書では「インフレ見通しは、必要な場合には
追加緩和の余地を与える可能性がある」とした。

中銀は11月3日の
理事会で利下げを見送った。

報告書は「理事会は、経済が改善するとの見通しが
ここ数カ月で若干強まり、政策金利を据え置くことが
適切と判断した」としている。

中銀は2016年末時点の経済成長率見通しを
2.5〜3.5%、2017年末時点は3〜4%とした。

中銀は2017年の見通しを従来予想からやや引き下げた
主な理由について、液化天然ガスプロジェクトの操業開始が
遅れているためと説明した。

中銀は、資源輸出が引き続き経済成長をけん引すると
みられる中、サービス純輸出は豪ドル安の恩恵を
大きく受けていると指摘。

豪ドルの水準にはコメントしなかった。

また、雇用の伸びは当初の想定を若干上回るとみられ、
労働市場については楽観視しているとした。

失業率は2016年を通じて6.0〜6.25%の狭いレンジで
推移した後、徐々に低下すると予想した。

一方、見通しにおける主な懸念として、アジア経済の
成長率が想定を下回る可能性を挙げ、「中国経済の見通しの
変化はアジアの貿易相手国と商品価格に大きな影響を
与える可能性がある」とした。